特殊検査
着床前診断
世界保健機関(WHO)が2023年に発表した「Infertility Prevalence Estimates, 1990–2021」によると、
世界では約6人に1人が一生のうちに不妊の問題に直面しています。
これは、妊娠を望む夫婦にとって不妊の割合が非常に高く、
年々医療や公衆衛生の分野で大きな関心を集めていることを示しています。
体外受精の過程では、胚の健康が妊娠成功の大きな鍵となります。
研究によれば、体外受精で得られる胚の40~60%に染色体異常が見られ、
女性の年齢が上がるにつれてそのリスクはさらに高まり、流産率も上昇します。
着床前スクリーニングPGT-A(以前はPGSと呼ばれていました)は、胚移植前に染色体の異常を調べる技術です。
この検査により、胚の整倍体異常を確認でき、唐氏症やエドワーズ症など
代表的な疾患を含む数十種類の異常を見つけることが可能です。
すべての染色体構造異常や単一遺伝子疾患を網羅することはできませんが、
胚選択の精度を大きく高めることができます。
麗舍では、次のようなケースでPGT-A検査をおすすめしています:
・夫婦のいずれかに先天性疾患や家族の遺伝歴がある場合
・女性の年齢が35歳を超える場合
・男性の精子に形態異常が多い場合
これらに該当する方は、PGT-A検査を検討することで着床率を高め、
流産のリスクを減らし、より安心して治療を進めることができます。
非侵襲的出生前スクリーニング(NIPS)
無侵襲DNA出生前検査(NIPS)
NIPS(Non-Invasive Prenatal Screening)は、胎児の染色体異常を調べる高精度なスクリーニング検査です。
「無侵襲」とは、羊水検査などの侵襲的検査と異なり、妊婦さんの静脈血を採取し、
その中に含まれる胎児由来の遊離DNA(cfDNA)を解析することで、染色体の異常を確認できる方法です。
この検査は流産や感染のリスクを高めることはありません。
【対象となる方】
高齢妊娠の方に加え、以下のケースでもNIPSを検討いただけます。
1. 侵襲的検査による流産リスクを避けたい方
2. ダウン症スクリーニングで高リスクと判定された方
3. 染色体異常の家族歴がある方
4. 体外受精や流産を繰り返している方
5. より高精度なダウン症スクリーニングを希望される方
6. 胚がPGT-A/PGS検査を経ずに移植・着床した方
【検査の流れ】
1. 同意書の署名
2. 妊婦さんの静脈血を約10ml採取
3. 約15~21営業日で検査結果をご報告
【ご注意】
NIPSはスクリーニング検査であり、診断検査ではありません。
結果に異常が見られた場合は、医師の指示に従い、羊水検査などの診断的検査を追加でご検討ください。
保因者スクリーニング
キャリアスクリーニング(保因者検査・妊娠前遺伝子検査)
キャリアスクリーニングとは、
将来の妊娠に備え、ご本人が劣性遺伝性疾患の原因となる遺伝子変異を保有しているかどうかを調べる検査です。
ここでいう「保因者」とは、
劣性遺伝病の原因となる遺伝子を持っているものの、本人には症状が現れていない状態の方を指します。
もし、偶然にも常染色体劣性遺伝疾患の保因者同士がパートナーとなった場合、
お子さまがその遺伝性疾患を発症する確率は25%、
また50%の確率で保因者となる可能性があります。
本検査を行うことで、ご夫婦またはドナーが保因者であるかどうかを事前に確認でき、
次世代における遺伝性疾患の発症リスクを把握し、適切な選択を行うための判断材料とすることが可能になります。
研究によれば、ほとんどの人が何らかの単一遺伝子疾患のキャリアである可能性があり、実際に病気として発症するケースは多くありません。
平均すると、一人あたり2種類以上の劣性遺伝子を保有していることが分かっています。
そのため、キャリアスクリーニングは生殖補助医療や妊娠準備の過程において、ますます重要視されるようになっています。
【検査をおすすめする対象】
・精子・卵子ドナー
・生殖補助医療で健康な子どもを望むご夫婦
・遺伝性疾患のお子さまを出産された、または家族歴があるご夫婦
・反復流産、体外受精の着床失敗、早期流産の経験がある方
・妊娠初期に遺伝性疾患を心配される方
・劣性遺伝性疾患を持つ方
【検査の限界】
現在、人類の遺伝子は2万以上確認され、そのうち7,000種類以上の単一遺伝子疾患が
国際データベースに登録されています。
最新技術により数百種類の疾患や遺伝子を検査できますが、
特殊な構造異常や検査対象外の変異、生殖過程で生じる新しい変異などは
検出できない場合があります。
つまり、キャリアスクリーニングはリスクを大幅に減らすことができますが、
すべての遺伝的問題を完全に排除するものではありません。
事前検査
契約前に委託者の皆さまへ
必ず最新の健康診断報告書をご提出いただいております。
私たちは経験豊富な生殖医療コンサルティング機関として、
これまでに千件以上のケースに対し個別のご提案を行ってまいりました。
医療プランの事前予測は成功率を高めるための重要なプロセスです。
特に卵子提供・精子提供を希望される委託者の方には、
過去の病歴を事前に共有いただくようお願いしております。
これにより医療チームが適切なプランを準備でき、
渡航後の時間や費用の増加を防ぎ、安心して赤ちゃんの健康を守ることが可能となります。
検査項目の詳細につきましては、担当コンサルタントまでお気軽にご確認ください。