特殊検査
妊娠中DNA鑑定
ある生物種集団のゲノム塩基配列中に一塩基が変異した多様性が見られ、その変異が集団内で1%以上の頻度で見られる時、これを一塩基多型(いちえんきたけい、Single Nucleotide Polymorphism、SNP)と呼ぶ。
SNPは、生物の起源、進化などの遺伝学や疾患関連遺伝子の研究に広く利用されており、薬理ゲノミクス、診断学、生物医学研究において重要な役割を担っています。
テストされたサンプル
父:口腔粘膜(1ヶ月以内、2本採取)
代理母:血液10ml(妊娠12週から30週の間に、1回採血)
検査項目:非侵襲的SNP検査
検査内容:非侵襲的SNP検査とは、母体の末梢血中の遊離DNAをシーケンス解析し、胎児のSNP遺伝情報を取得する検査です。
方法:SNP遺伝子座の捕捉、DNAの塩基配列決定、SNP遺伝子座の解析技術を組み合わせて使用します。
着床前診断
着床前スクリーニングは、顕微授精を行って得られた胚盤胞の細胞を用いて染色体異常の有無を調べる検査で、PGT-A;Preimplantation Genetic Testing for Aneuploidy(またはPGS;Preimplantation Genetic Screening)と呼ばれています。
妊娠が成立する前の段階で体外受精した受精胚の一部を採取して、その胚から染色体の本数や構造に異常がないかを調べる検査です。
妊娠12週未満の初期に起こる流産の原因としては「胚の染色体異常」と言われています。
着床前診断を行うことによって、染色体異常のある胚を避けて移植することができて、習慣流産・染色体異常の遺伝を防ぐことが可能です。
检查方法
まず卵子と精子を体外受精または顕微授精によって受精させます。
受精してできた受精卵を培養し、採卵から2・3日後の初期胚もしくは5・6日目の胚盤胞から一部細胞を採取し、次世代シーケンシング(Next Generation sequencing; NGS)という方法で解析します。
検査の結果により、染色体異常のない可能性の高い受精卵を子宮内に移植します。
移植後11~12日後に妊娠判定をして妊娠が確認できます。
非侵襲的出生前スクリーニング(NIPS)
非侵襲的出生前スクリーニング(NIPS)とは、胎児の先天性異常を予防・治療するための出生前検査です。
非侵襲的というのは侵襲的に対する言葉です。侵襲的というのは身体を傷つけると言う意味です。NIPTは身体を傷つけない検査ということになります。この分野での侵襲的検査の代表は羊水穿刺による羊水検査です。
母体から採血した血液のみを使って検査をするため、母子ともに安全な検査です。
NIPSは、母体の静脈から採血、遊離した胎児DNA、国際的に認められたNGS次世代シーケンサー技術を用いたハイスループットシーケンスとバイオインフォマティクス解析のみで、胎児が染色体異常を起こしているかどうかを判定することができます。
従来の血液による出生前診断と比較しても、感度・特異度から見ると検査自体の精度がきわめて高いとされています。
NIPSの適応者
1.侵襲的検査を拒否し、流産する危険性のある妊婦さん
2.ダウン症リスクが高い妊婦さん
3.本人または家族における染色体異常の既往歴がある妊婦さん
4.反復流産がある妊婦さん
5.ダウン症の出生前スクリーニングを受けたい妊婦さん
保因者スクリーニング
保因者スクリーニング検査は、別名:妊娠前遺伝子診断と言われることもあり、遺伝性疾患の保因者をスクリーニングし,その結果、被験者が遺伝性疾患の保因者であるか明らかにすると共に、お子様が遺伝性疾患を発症するリスクを調べることができます。
保因者とは、「劣性遺伝病の原因となる遺伝子を持っているが、発症していない人」を指します。
偶然に常染色体劣性遺伝の遺伝性疾患の保因者同士がカップルになった場合、子どもは25%の確率で遺伝性疾患を引き起こす遺伝子のみを持ち、その結果として遺伝性疾患を発症します。また50%の確率で子どもは保因者になります。
保因者スクリーニングは、これまではゲノム全体または全エクソン領域を調べていました。そのため必要な時間とコストが大きく一般的ではありませんでした。
普通、まずご夫婦の染色体検査をお勧めしております。
染色体検査異常の場合、また保因者スクリーニングを行います。
染色体検査とは、ご夫婦の採血検査によって行う染色体検査のことです。末梢血液中の白血球から染色体を取り出し、Gバンド法という特殊染色を行って染色体の数や構造の異常がないかをみる検査です。
検査対象者
以下のようなドナー・夫婦・カップルにこの検査をお勧めしています。
1.生殖補助医療技術における精子・卵子ドナーさん
2.生殖補助医療による健康な子供を授かりたい方
3.既に遺伝性疾患を持つお子様を出産されたご夫婦、または遺伝性疾患の家族歴がある方
4.反復流産歴、体外受精着床失敗歴、早期胎児流産歴を持つ方
5.妊娠初期(妊娠8週未満)に遺伝性疾患を心配される方
6.劣性遺伝性疾患を持つ方
事前検査
プログラムお申し込みの際、無駄な時間を費やすことなく、より良いプログラムをご提出する前に、事前検査が必要です。日本にて必要な検査を受け、結果をご提出頂きます。 体外受精の治療を受けるにあたって、一番重要なことは、「なぜ妊娠できなかったのか」を調べることと「どうすれば成功率を向上させる」にあると思われます。色々な原因がありますので、それをきちんと整理して、適切な治療法を選択する必要があります。
弊社では一連の検査が終了次第、検査結果を整理して、その上で指定医療機構と適切なプログラムと治療方針を説明します。 子供さんを授かることはご依頼者様の人生計画にもかかわることですので、2008年以来、あらゆることを考慮して1000組以上のご依頼者様と随時相談しながら検査や治療を進めるようにしています。